![]() これはアコースティックラボの名を世界的に有名にしたモデル Bolero 設計者のゲルハルト・シュナイダー氏が18歳の頃に作ったもの 感覚が素朴で澄んでいるうえ若くて甘美な音 古臭くないのに超アナログな音がしてる 甘美さで言ったらStellaシリーズが上だけど 素朴さでいったらBoleroが上 店頭でJeffRowlandやGOLDMUNDで鳴らされていると魅惑的トーンだけど 手持ちの安いアンプでも充分に良い音で鳴った ウーファーの中心部・・・蛇の様な巻き巻きが音に粘りを生んでる ツイーターは反対ドームでハルモニクスして織り成す (なんていう原理じゃないですよ?)
![]() さっそく開口ダクトに手を突っ込むとボレロの振動を味わえる。 とても美しい感触をしている。 ここで呪文を唱えてみる ポポロクロイス チクビクロイス ビーチクロイスビーチクロイスビーチクロイス… 単に共和した振動であっても手で音楽の美を感じることはあまりない。そのエロスに手を入れてみないことには・・・。 響きの概念までもが包括された振動が、手を伝ってくると、「音色とは周波数特性のみで決まるものではないのだ!」・・・そう近隣中の家のドア開けて訴えたくもなってくる。 「音色」というのはグラフで目に見える周波数特性で決まる訳ではない。でなければラウドネス曲線の操作で完全に別の音色になってしまう(グラフで音色が読める人もいるとは思うけど圧倒的に少数派。そういう人は日本音響研究所に勤めて下さい)。人間の耳が感じ取る音色はもっと繊細な波形の世界にあると思う。もっと目に見えない。文脈効果が加わってもcrossmodalが生じ易くなる。人間はほとんど瞬間的なパルスのみでは音色(アナログ的なニュアンス)までは判別つかないはず(サヴァン症候群並の短期記憶があるのならともかく…)。ハーモニーとの兼ね合いでもその音の意味は変わってしまう。複合波で音色が変わる。それぞれの音色をハルモニア化せず精確に峻別できる幾何学的な耳ならともかく…。意味不明になったけど音色というのはどっちかというと精神的な世界になるのでゆらぎと同様サウンドスペクトログラムの検証どまりになる。 音楽性やソノリティもまた経験とか触覚によるもの。相対の世界を超えた絶対のポイエシス。だって触感だもの。経済や有相無相や回路の相対の中にいては生命は生まれて来ない。特に男の子や女の子を見ていれば古(いにしえ)より現代に連綿と受け継がれてきたものとその働きを想像しやすいが、絶対こうなりたいという(半ばエロス的な)希求のうちに生命は創造されてくる。発生する。ハーレーとかドカティの低音を神だという人の気持ちで、われわれもこのBoleroの振動を神秘的なものであるとアプローズ。内臓を快くゆするバイクの振動、それとは違うけど素粒子的なカタルシス。手がそうゆってる。 |