Enfleurage







本当にグルメか、ただのスノッブか

つきピエ
2025年








グルメな人ほど料理を褒める傾向がある。
その理由・・・味覚や嗅覚の神経が子供ほど鋭敏ではなく、かつ、神経がまだ豊富にそなわっているから。

たとえば犬は嗅覚神経が人間の4倍ある。そんなに豊富だったら臭いものをもっと拒絶しそうなものだけど、犬はだいたいの匂いが好きで嗅いで回ってる。
子供の味覚や嗅覚の神経は大人より豊富にある。でも子供は好きな匂いも多いが拒絶するものも多い。それは神経が「鋭敏だから」。
年齢に比してその感度は弱くなる。大人になり鈍感になってきたら、ビールとかコーヒーブラックを飲めるようになる。三十路は様々な種類の料理を拒絶せずに楽しめる。まだ脱失が進んでいないので良いところを見つけやすいのである。犬のように。
中年、老人となり味覚や嗅覚の脱失が進んでくると、辛口になる。感覚神経の本数は少なくなってニューロンの距離も短くなってるのにグルメの経験が豊富にそなわっているから性質(たち)が悪い。人が美味しいと言っているのを見て「そんなものが美味しいのか」と上から目線になりやすい。

自分はコロナで嗅覚が脱失した。アンフルラージュという方法で抽出されたローズのアロマオイルの高級品が、コロナ以前は好きだった。淡いながらも馥よかな香りでこの世のものとは思えない。3歳の甥っ子もその香りは好きだった。でもコロナになったあとは、その香りの成分を部分的にしか感じられなくなり、香り方が変わったし、嗅いでも恍惚としなくなった。懐かしむことはできるけど。おそらく、たくさんの種類の成分を できる限り「豊富に」幅広く感じ取れないと恍惚としないのだろう。それは音にたいしても同じことが言える。幾千万の成分の調和こそ自然界。ホールトーンから場の量子まで含めて音楽。⇒恍惚へ。
ちなみに自分が一番好きなアロマオイルは『グリーンゲイブルズはしもと』のチュベローズだった。それは甥っ子は嫌いだった。なぜローズは好きでチュベローズはダメなのか。好みが激しい。

グルメな人ほど料理を褒めやすいのはメタ思考が働いているからというのもある。作ってる人の苦労(背景)を想像しているから。
ちなみに馬鹿な人ほど他人を馬鹿にしやすいのはメタ思考が働かないから。自分自身には学歴どころか学そのものがないのに他人の学歴に序列をつけるなど客観性が脱落していたり。やはり老人に多い。
・・・でもまぁ、老人なら仕方ないと思う。自分もそうなるし。ただ自分もいずれそうなるけど、そうはならないようにしよう。・・・と、今の老人もかつては思っていたのかな。