トーンに独特の色が乗らず、なおかつ暖かさのある音。 刺激成分を出さない。神経にたいして自然な音色(おんしょく)。 管球のような特性を感じる。LUXMANの原点はこんなサウンドだったんだ。 音楽を再生しながら眠れる。神経質なところがないのが当たり前になってる。 音楽により精神は飛翔してゆくはずなのに、音に疲れてしまってはイケなかった。 L80のあとにビクターのAX-S9を使ったら、生命力は上がったけど生命感が落ちた。 よくまとまって安心感のある音だけど重量級はパワーで鮮度まで引き出す。 L-80の出力回路は Bi-poler トランジスタ。80番には三機種あり、L-80はローエンドモデル。L-80VがミドルでL-85Vがトップモデル。高級機にL100というのもある。音質の傾向は共通だと思う。 S/Nはわりと高い感じするけど力量があるわけではないので、balanceコントロールで片チャンネルのみ音出してみると骨格はややぼやけている。 でもこんなにスムーズで聴き易いアンプはここ最近使ったことなかった。これぞアンティックアンプという田舎の自然感で、高域は慣性任せに伸び、低音は制御なく出される。力で抑えつけたところのないのびやかな育ちをした性格は、弦楽の細やかな旋律が空気をかきわけるのに向いている。じっくり聴くとさーさーとノイズは乗ってるけどそれにすら物理的な自然さを感じる。 色気はそっけないものだけど透過性の高いスピーカー(Apogee等)をニアフィールドで鳴らすとこれ以上の透明感はなかった。サンデルリング指揮のシベリウスのSym No.6にすごい繊細な音樂の雰囲気を感じられた。管弦楽は概して、素の性質が聞ける。SPユニットに耳を近づけるとさーさーと言ってるけど, ホワイトノイズや録音のノイズにすら物理的な自然さを感じる。管球アンプ並みに奇数倍音が少ないんだろうか。 自分の購入したL80は店舗で丁寧に整備をされていたものだけど、同じくラックスマンのアンティックアンプ(SQ505X)の整備をされていないものの方は、さすがに古いので古い音がした。整備は必要だと思った。 |
関係ないけど最近僕はAUBEの写真△を撮ろうとしていた。でも撮ろう撮ろうとしていても、撮れない。するとぴるるくんはまた来て、言う。 「空を晴れ上がらせようとしても晴れ上がらないんだ。およそどんな作法でも、品性を磨こうとか普遍的であろうとすると硬く苦しくなる。それは人為なんだ。最も自然なところにナチュラルがあるんだよ。それが原理になったら空性とは反対にの方面に進むんだ。」 L80は、万葉集のような謡い方をしてます。まさに神のまにまに。 |