ONKYO D-77RX


エッジが駄目になったので
セーム革習字の半紙ウレタンにて補修した
それぞれ音質に違いがでた



ぼろぼろに崩れるようになったエッジを交換。音質は交換後のほうが整って静観してる。キョンセームは自然でしっとり優しい音を醸すけど高価。
2007年に交換したウレタンエッジ
ファンテックという会社のボンドが使いやすかった
でも普通の遅乾性ボンドでも充分
ウレタンは加水分解するまで10年〜20年
交換から6年経過し、変色してきた
ウレタンは自作派には人気がないが
ウレタンはウレタンなりに良い音を出す






D-77RX エッジ交換
D-77RX概要
スコーカーのエッジも駄目になったので交換

今回は「セーム革」と「習字の半紙」で実験
各々どんな音が出るか

セーム革は遅乾性のボンド or ヤマトの澱粉糊で接着した。
習字の半紙はもみくちゃにしてヤマトの澱粉糊で接着した。
もみくちゃにするのはストロークの遊びを設けるため。
ロングストロークでない限りΩアールΩを造る必要はない。
洗濯糊の音に成ってしまう。
エッジの形状は必ずしも円◎で作成する必要はない。
バームクーヘン状の切れ端の継ぎ接ぎでも関係ない。

20cm×20cmのサイズのセーム革で
Φ27cmのウーファーとΦ16cmのスコーカー分を賄えた。
生き物の皮革なので大切にする。

ウレタンエッジも必ずしも◎でなくてもよい。
Φ30cmウーファー用のものも
視力検査の C のような形状に切ればΦ25cmでも使える。
自分で考えて好きなようにやりなさい。










エッジの音質
  特徴
セーム革 しっとり 優しい ヒューミッド
習字の半紙 ハスキー 明るい 乾いている
ウレタン 中間的 控えめ 安定している
セーム革 音色がたまらなくよい。とろーりとしている。幼子の肌のように柔らかい。しっとりしている。雑味が吸収されてる。不思議なまとまり感がある。吸湿性が高くて静電気も除去するようだ。鹿さんに感謝しないと報われない。理想はキョンセーム。
習字の半紙 振動の吸収特性は一番低そう。高域方面が元気に伸びる。響きは自然な感じはする。けど美しいわけではない。逆相の遮蔽効果が低いためか空気感がやや乏しい。でも意外と使える。環境負荷が低い。障子紙でも良いと思う。
ウレタン 逆相の遮断度は一番高そう。解像的にも静観していて大音量時の挙動は一番落ち着く感じ。音色的にはいまいち。くどみがある。人工物の音。一般的にはウレタンでいいのかもしれない。既製品を買えば作業は楽で見た目もいい。メーカーにより材質感や厚み・柔らかさに違いがある。
触感の良い素材を張ると音触も良い。質感のとおりの音色が出てくる。たかがスピーカーのエッジ程度にしか考えてなかったけどエッジでここまで音が変わるとは思わなかった。当たり前か。音質を一番決定づけてるのはスピーカーで、振動板は音に直接かかわってる。エッジはその振動板に直接触れてる。「音色」の違いはウーファーよりスコーカーのほうがわかりやすい。セーム革のしっとりとした音色はたまらない。セーム革の遮音性がどんなもんかとスピーカーユニットの前にセーム革を翳(かざ)すとそれだけでうっとりんぐ。セーム革の音色が味わえる。習字の半紙とは比較にならない美しさ。遮音性はわりとある。繊維の密度が高いのだろう。
接着剤はボンドより澱粉糊のほうが響き・使い易さともに上かもしれない。澱粉糊は接着剤の中で環境負荷が最も低い。人体に有害じゃない。食べても良い。水に溶けるし取り除きやすい。また、澱粉糊の成分であるアクリル酸エステル樹脂は非常に安定している物質のようだ。





セーム革 + 半紙 = +α


片チャンネルの貼り替え作業を終えて風呂に入ってるとき… セーム革と半紙を重ねて貼ることを思い付いた。遮蔽効果を高めることができるかもしれない。
ためしにセーム革と半紙を重ねてスコーカーの前に翳(かざ)したら、その音色はイマイチだった(ぇ。 半紙の音になる。でもエアコンの断熱でも魔法瓶でも空間層があると断熱効果が高いし、異種素材を組み合わせてみるとどうなるか。気になって眠れないからやる。結果が気に入らなくてもやり直さないが。





セーム革が表。半紙はやわいのでうまく空洞を設けるのは大変。でも設けなくてもいい。
半紙は振動板の裏面に、セーム革は表面に貼った。
半紙は逆のドーム∪にして空洞を設けた。やわいのでうまくアール造るの大変。
でも空洞は設けなくてもいい。セーム革は「ぶつかり音」を出さない。




【その結果】
表側のセーム革の音色が勝っていてちょうどいい。ミッドレンジの場合高域がよく伸びるようになった印象。それは半紙の付帯音?(セーム革との接触具合でまた音色が変わったりするだろう)。倍音成分が伴いハキハキとする。ゆるさは減ったかわり遠近感が出ている。微細な要素が増した。異種素材の組み合わせで色域が広がっている。トータルとしてみるとプラス効果だと思う。
マイナス要素としては…興味のある方… @:振動板に塗ったヤマト糊の質量分が重たくなること。 A:セーム革には弱い付帯音しかないため、習字の半紙の強い付帯音にセーム革のしっとり感が邪魔されること。セーム革のとろ〜んとした音を求める人はやらないでね。




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