PROCEED pav






PROCEED AVプロセッサー pav 定価\600,000。
Madrigal社=マドリガル 旧:MLAS(社員数約90人。1995年現在のマドリガルは135人)。マークレヴィンソンとプロシードの企画・製造・販売を行う。
ボリュームはデジタル式。右の半球のボタン。押し心地は重い感触で独特。まったりとしている。かっこよいけど、音量を急に落としたいときなど少し鬱陶しい。ボリュームは回せるほうが使いやすい。
サイドの紺色の部分は左右非対称の厚みで、3:1とか5:2とかのフラクタルな哲学。
pavと別にPROCEED pre(\290,000)がある。これはpavからAV機能を排し、オーディオ用に再チューニングされたもの。共にラインモジュールは兄弟ブランドのMark Levinsonの38Lと同じもの。PROCEEDにはMark Levinsonとは一味違ったリビング向けの音楽性があるのか、まったりとしている。





扱いきれない端子群です .

pavのよいところはパウダースノーのように加速の仕方が慣性的で、止まるのも慣性的に滑らかなところ。AVアンプだしトランジェント特性の低さは仕方ないものとして作られてる。音の純度は70%ぐらい落ちるけど、気持ちほどよい感覚で鳴る。楽器にはとんがったところがなく、楽音の姿は姿を留めていて、形象の黄金比が保たれつつ、トーンにはこのパネルの色調みたいなほんのりとした馥郁が乗っている。色ノリしているから空の彼方までは見透かせないけど、そこに輝きまない甘さがある。大きくゆったりしたスピーカーにはこのふるるかな音の傾向はとても合っていた。
もう少しシンプルな回路だったらよかったなぁとは思うけど、ヴォイシングの苦労は覗えるし、中域・低域の楽器音は球形で、大小・遠近とまとめ方が上手なので、音の純度は高くなくてもそれなりには良いアンプである。音楽的なバランスがほどよく自制されているうえに(その行為のうえに)遊び心があった。さすがはマークレヴィンソンの集団は、PAにも適性音量があるのに街路で音割れ・共鳴させてがなってるような、道具を扱えない人たちとは違う。やはり髭そりにも哲学があるように、物事をじっくりと嗜む習慣がオーディオを楽しくさせる。
pavはいつも曇りの天気。反射めいてるところは完全になく、やわらかな気分に覆われてる。preのほうは快晴だったのかな。でもピュアでバリバリ使おうとするとどちらもだめである。一歩引いたところでBGMを味わう。アメリカ人がアメリカンなジョークを飛ばして内心つまらないなぁと思いつつでもきっとおもしろいんだろうなぁと愉しげな気分のわれらは日本人なのである。






これはmade in Japanなんだぞ!。しかしこんなにかっこいい学習リモコンってないね。これだけ残しときゃよかった!
扱いきれない学習リモコン