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パナソニック最上位のブルートゥース・ヘッドホン。売れないためか、2021年現在、ほぼ現行機種(RP-HD610NはGoogleアシスタント対応)。魅惑的なところのない音だけど精確な解像で「講演CD」とかが聞きやすかったです。 |

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超多層フィルム(MLF)で玉虫の色になった振動板を採用。生物の次元に入ろうとしている。同じ玉虫でもRP-HD10とは方向性の異なる音。RP-HD10は完全に理系脳の宇宙人。その過激な先端をゆく。一方RP-HD600N&HD500Bは昔のパナソニックの音に戻った言われている。バランスの違い。音の個性は共通してるかな。 |
RP-HD500BにNC(ノイズキャンセリング)搭載でRP-HD600Nになる。NCはaudio-technicaのATH-WS990BTでもこのRP-HD600Nでもいつの間にか効いてる具合。SONY WH-1000XM2のようにシーンとしてゆく感じは乏しい。でも電車内でボリュームは十分下げられる。耳に優しい(あるデシベル以下の音量なら長時間でも大丈夫らしいですよ)。また、小音量の音質も昆虫の振動板のお蔭か、痩せが少ない。NCでの音痩せはあります注意。NCはSONYが最高(痩せないわけではない)。
音色はRP-HD500Bとほぼ変わらないが若干異なり、Panasonicのアイデンティティなのかこの超多層フイルムの高域をメルクマールとした路線。SENNHEISER
HD800の音と似て高音が有機的でかつ開放的。Panasonicは安いけど中高域にはハイエンドの品位と解像度を聴くことが出来る。Faure「夢のあとに」のトリオは、ヴァイオリンが盛り上がってくると、ヴァイオリンが
がなる(瞬間的に相当のDレンジを必要とするソース)。HD500Bはそこが多少くだける。
突き抜けて世界の先端を走り抜けたい人はRP-HD10だけど、このRP-HD600Nは教科書的でまじめな音なので、声が自然。SONYみたく付帯音がなくて、すっきりと講演CDが聴ける。低音は控えめだが全体的には偏ったところはなく交響曲などフルレンジで再生するのには酷なソースでもほどよい塩梅でまとめられている。その辺が理性的な日本製品。SONY
WH-1000XM2と比較すると冷たい音と思う、でもゲド戦記の『テルーの歌』では中間の音(エアー感)が、出ていないようで出ている。Debussy『夜想曲』(Grammophon
4D録音)は薄く低域が付随している。この曲の最もクレッシェンドする第二部: 祭 も結構分解されていてまともに聴こえる。やはりボリュームが上がってくると「がなり」はあるけど大ホールの管弦楽曲なら比較的少ない。やや簡素な響きなので、シュアーやソニーのミルクコーヒーのような音が欲しくなる。逆にシュアーやソニーを使っていると、コーヒーブラックのRP-HD600の音で聴きたくなる。そういうもんだ。ちなみにサイコパスは「苦い味」を好むらしい※。理系脳みそとかサイコパシー傾向の人は、この音が色付けがなくて鬱陶しくなくて良いかもしれない。
RP-HD500Bと共にLDACとaptX HDの高解像度コーデックに対応。K2 TechnologyでBluetoothの圧縮データを復元する機能を搭載したVictor
NW SOLIDEGE SD70BTとは迷いに迷って迷宮入りだと思う。でも、コーデックはさほど音質には関係ありません。それは売り文句だから。至高を求めるわけでなければ気にしないほうがいいレベル。
RP-HD600Nは使ってるうちに緻密さがわかってくる。SONYでも同じだけど、RP-HD600Nは特にノイズキャンセリングが空気感などの薄い音を薄めるからノイキャン切ると本領発揮。田舎の犬の散歩で使ってみてわかったコガネムシの世界。一度OFFにすればその設定が保持されているのがよい。
※カラパイアより。サイコパスの特徴を羅列すると、「無神論者」「夜型人間」「目を逸らさずに話す(加虐心で情報を得ようとしている)」「あくびがうつらない」「コンビニの店員にたいして横柄」など。 |