下位モデルのSU-A700IIとトーンは共通で聴感に馴染みやすくチューニングされた感じがある。SU-A900よりはSU-A700IIのほうが新しい分甘美さ馨しさが増している。ブラックフェイス時代のTechnicsは、今のゴールデンされたものとは違ってしっとりした音色になる。フォルテ少なめのスローな曲があってる。 SU-A900のドライブ能力はわりかし高くてぼやけた感じは700IIよりは減るけど、あまり分解されていない低音はボンボンしてて、オケの再現はちょっとびにょう。でも小音量の再現に関してはこのアンプは優れたところがある。そのまま音が小さくなってる感覚。トランジスタアンプは真空管に比べて小音量には適さないけど、素子が小さいからか繊細な要素を保っている。いや単純に読み聴かせ上手なだけかな。 プリアンプ部がトーンを色濃く決めるので、ヘッドホンで聴くとアンプのもつ再生音はよく味わえる。透明な瑞々しさからは遠いテクニクストーンの馨しさがより濃厚に…。捌けた音はこのアンプからは出ないけど楽音全体はしっとりとしたヴェールに包まれている。それがとても優しい。 |