USHER X-719


 [主な仕様]
音圧レベル:85dB
インピーダンス:8Ω
再生周波数:38Hz〜20KHz
定格入力:80W
クロスオーバー:2.0 KHz
大きさ:27W×41D×40H(cm)、17Kg
ツイーターユニット:T9950
ウーファーユニット:8945W
仕上げ:ピアノブラックとホワイト

 [参考]
http://www.localmailorder.com/


USHERとは台湾の新進ブランド。CP高い。
このX-719も定価\120000ながら価格を凌駕している。
設計は西欧。限りなくニュートラルな中、その名残はある。
Joseph D'Appolito博士の理論が根幹で、概してナイーブな仕上がり。







6311
 CP6311と同じユニット。普遍的で色付けのない音ながら、しっとりしているのが好感触。期待せず試してみたものの案外いい。S520Uのほうが音の表面がつるつるビチビチする。COMPASSのX-719はもこもことした感触。でも基調は共通。USHERの音というものがあった。この無色さ加減がUSHERなんだろう。





COMPASS(X-719)
 X-719の外観はソナスファベールのアマトールに類てるけど音はニュートラル基調でパワフル。大型のブックシェルフで低域の重心が低く、奥に深まっていく。





X719(コンパス)
 唯二迷いのない白という色は唯一一元性の色でもある。黒は有色ではない。光を覚えていない。
 X-719の音色は一元的。でも純粋には白ってほどでもないし、陶器ってほどでもないかな。ニュートラルであっさりとしている。白が白として濃厚ではなく、どちらかというと色を離れている。しかし輪郭はちゃんと実体的でジャズはJBLのように存在感がある。厚みの伴った本物の音。囚われがなく頭打ちしないこの余裕さ加減は、必ずどこか妥協の入ってしまうこの価格帯では得がたいもの。第性質である質的な表現や音楽性のことは忘れて、ただスペック的に精確さ雄大さを極めたくなるところがある。





プリのソノリティはそのまんま投影されてると思うけどなぜか味わえないというもどかしさがある。国産プリでよいと思う。
 鳴らすのには相当駆動力が要る。ATCのSCM-12slなど比ではない感がある。デジタルアンプ以外では力量不足だった。COMPASSシリーズはしっとりとしつつもモニタ的な傾向なので、低能率のスピーカーに対応してでっぷり太ってきた今の重量級アンプならいけるだろうけど、もっとアキュレートに徹したい。
 無味だと思っていたデジタルアンプの音が一番落ち着いた。使っているうちにプリ云々の次元ではなくなってくる。X-719はドライブ能力さえあればよかった。黒モグラで鳴らすとCOMPASSの白は白として鳴るのをやめ、スクリーンの役割になる。反面黒モグラは、唯二、白の反対、それ自体が存在していないかのような存在。色を無色化させる無色。プリ的な味わいはCOMPASSにおいて無化される。ここに投影されているのはモノクロの無声映画。静かな音になった。森林を思わせるほどの静けさにはまだ遠いけど、静かに鳴れば実力出せていると思う。




X-719の録音
アンプはバイワイヤリング
高域:黒モグラ 低域:AU-α907XR
ラストサムライ
サウンドトラック

ドビュッシー
遊戯

アンドレ・ジョリヴェ
ピアノ協奏曲