Unisonic Plata AHT-250F2






ユニソニック


Plata AHT-250F2の特長
●リニアリティの高い高域特性を実現する「ブラックダイアモンド・シルクドームトゥイーター」
●スピーディーかつタイトな中低域のレスポンスを実現する「ファイバーグラス・ハイブリッドウーファー
●中低域の位相をコントロールする「アルミ素材フェーズプラグ」
●ネットワーク回路に音質重視のフィルムコンデンサーを使用し、クリアーで繊細な高音再生を実現
●背面バスレフポート採用で、スタイリッシュな外観とサイズを超えた低域再現を両立
●Plata(プラタ)シリーズの顔ともいうべきトールボーイスピーカー(AHT-250F)
●クセがなく非常に自然なその音作りは、音楽をより明快に、かつ活き活きと再現します
●スパイク(スパイクベース「UN-SP4」付き)とゴム脚を付属、環境に合わせた最適な足回りが選択できます
●マグネット式のサランネットを付属
●シングルワイアリング接続の高級スピーカーターミナル搭載
仕様
トゥイーター 25mm ブラックダイアモンド・シルクドーム型
ウーファー 133mm グラスファイバー・ハイブリッドコーン
インピーダンス
出力音圧レベル 88db
クロスオーバー周波数 800Hz, 3000Hz
再生周波数帯域 45Hz〜20kHz
本体寸法/質量 【本体寸法】W181×H890×D225(mm)※スパイク含まず
【台座寸法】W240×D246(mm)/【本体質量】11.3kg(1本)
価格 \55370(税別)


unisonic


UnisonicPlata AHT250F2



Unisonicのスピーカーは金型をどこかのスピーカーメーカーからお古を買い取って作り上げたらしくて定価が格安。金型ゲージ・検査具などの精度モノはかなりコストがかかるので、小ロットの製品だとそのコストは相対的に大きくでる。
AHT-250FからモデルチェンジしたAHT-250F2は、定価が\81636→\55370(税別)と3割引きになっていることと、サランネットがマグネット式になったことと、重量が14.9kg→11.3kgになったこと。






2019年現在, Unisonicのスピーカーはアバック座という映画館で使われている。音質は良いけど、値段が安いしおそらくかなりユーザーの少ないスピーカーだから、他のハイコスパ・スピーカーやハイエンド・スピーカーとの引き合いに出されて、比較評で気軽にこき下ろされているが、そういう役回りなのだと思う(ほかのスピーカーを引き立てるためにスケープゴートになっている。これが普及しているメーカーだったら逆に悪く言えない)。自分がavac店頭で比較してみたところ、隣のCabasse JAVA-B(TC同軸型搭載の3WAYトールボーイ32万円)はUnisonic AHT-250Fより一回り大きいだけあって幅のある音。音色もJAVA-Bは値段だけあり甘美。フランスの味わい。全体的にやや負けていた。ん。

cf. Unisonic AHT-40R, AHT-100F, オーディオ辞典





「スピーカー端子」・・・ 奥まったところにあって、バナナプラグを使わない直差しの場合は使いにくい。デザインのわりと良いスピーカーで、でっぱりを気にしたのだろうか。

「後部バスレフ」・・・ フロントにバスレフポートがある場合はゆったり、後部だとタイトめ。になると思います。REVEL AUDIOのPERFORMA Beシリーズ3機種のデモではそういう僕の印象だった(F326Beがフロントのバスレフで、F328Beが後部バスレフ)。AHT-250F2のバスレフの口径は大きい。JAZZやロビーロバートソンのCDの低音が膨らんでいるけど、元々の振動が純粋なのか美音の範疇。DVDやBlu-rayで2.0ch再生しかできないソフトの場合、このトールボーイならウーファーなくてもたるくない音で楽しめる。

「スパイク部」・・・ スピーカー天面と底面(スパイク装着する板)は光沢コーティング。付属品にスパイクとゴム足の2種類あり。

「サランネット」・・・ サランネットを外すと音が良くなる。UNISONIC AHT-250F2のサランネットは厚みがあるしっかりしたもののため、装着するとポリ塩化ビニルっぽい化学的温度感が高めなサウンドになる。でもマグネットで着脱可能のため、聴くときだけ外すという通過儀礼を挟むことが容易。

「ポエム」・・・最近は簡単に山の神域にロープウェーで行けるため、信仰の伴わない礼拝が可能だけど、簡単に手に入れたものは浅い体験で簡単に抜ける。山神様にたいして失礼な人もいる。むこうから見たら自分の敷地に土足で上がり込んでいる。せめて敬意を払えばむこうもガッカリせずにすむものの。
音楽を聴く目的が音楽の感動を得ることとすれば、音楽を聴くときも多少の心構えがあっても良いかと思います。指揮者のハイティンクは作曲家を神様だと考えていた(楽団はそれをみんなに伝達する役割)。指揮者のリッカルドシャイーは「Mahlerの音楽は人間に創れるものではない」と言っていた。そこまで深く理解するには演奏しないといけないけど演奏できないからせめて意味のある儀礼を挟んで聴く(スピーカー端子が窮屈なのも我慢)。






AHT-250F2のf特性 (赤。スイープ信号)





参考:AHT-40Rのf特性 (赤。スイープ信号)






左:Cobre AHT-100F
右:Plata AHT-250F2

録画:Unisonic_Plata_Cobre.mp4。上の2本のスピーカーをLchとRchにおのおの接続して同時比較。
使用しているアンプはPIONEER A-05。結果、あんまり違いは感じなかった。フロントとリアにそれぞれを使っても音のつながりがよく保たれると思う。






UNISONIC AHT-250F2日記(追記)
2020年7月・・・人の声が少し素っ気ないことに気づいた。AURASOUNDの16cmパルプコーンのフルレンジは声が太くて豊か。レンジは狭いけど。UNISONICはクリアーな音でパースペクティブ感もあるのでAV用途にいい。音楽再生はポップスでもクラシックでもいける。分解能が高いのかバラけたような音がするけれど、耳にキツくない音でプロコフィエフの交響曲第五番や第七番も普通に楽しめる。ヒューミッドでもなく乾燥基調でもなく甘美とまではいわないけど甘みがあってうっとりした音で楽しめます。ラフマニノフのピアノ協奏曲はmusicaのアンプLucidoだとピアノの音が埋没せずよく聞き取れる。空気感も上々。ゲーム(ドラクエ10)でも聞こえない要素が少なく、戦っていて不利ではない。あらゆる観点からバランスの良いスピーカー。これ一台あればよい。





2020年7月・・・片方のスピーカー端子を銅製にした。内部配線の線材はケチられていない程度に悪くなかった。端子を銅製にした側は音が少し太なった。でもあとで思いついたが板に穴をあけて、内部配線を外に引き出して、スピーカーケーブルの導体といっしょにスピーカー端子内で締めて圧着させれば良かった。純銅製のこの端子[HD-530C]は発掘品と言えるほどのものだったけど、介在させないなら真鍮でOKだ。それと銅製の大型スピーカー端子はハンダが溶けなくて最悪である。かなり加熱をして気化したフラックスを吸って体に有害だと感じた。HD-530の方がはんだがやりやすいはず。板の厚みの薄い部分があるので。
2021年9月・・・高音はリアル傾向。高音だけで見るとKENWOOD LS-NA9ほどではないがシャリ感もなく品質の良い音。中域はAcoustik-labやONKYO D-77系に比べた場合、色気や厚みがないけど、SONY SS-HA1より厚みがあり不足感がない。3ウェイとしての分解能はKENWOOD LS-11EXに負けるが、Plata AHT-250R2には音色的な愉悦があって、Blu-rayプレーヤーでCD再生して豊かに楽しめた。KENWOOD LS-11EXは当時流行のカーボン素材の振動板を採用しているけど、嫌いな人が多い。その無機質な鳴り口が。KENWOOD LS-11EXのほうが各音素が明確に聞こえてくるしノイズもなくて疲れないものの、音楽的な心地よさ、音色の良さが足りてなくて、結局Unisonicに戻ってきた。Plata AHT-250R2は大型の3WAYと比べると少し濁っているけれど、その濁りが美音だし、イケダラボラトリーのアンプならCD2枚は聴いていられます。