Victor HP-DX700




■ 天然木ハウジングにドライバーユニットを直接固定する“ダイレクトマウント構造”(特許申請中)を採用
■ 自然な響きと軽さを兼ね備えた“ウッドハウジング”採用
■ 大口径φ50mm“ワイドレンジドライバーユニット”搭載
■ 自然な音の広がりと奥行き感を実現する“アコースティックレンズ”(特許申請中)を採用
『HP-DX700 主な仕様』
密閉ダイナミック型、f帯域:5Hz〜30,000Hz、インピーダンス:64Ω、音圧レベル:101dB/1mW、許容入力:1,500mW、コード:3.5m 布巻き 4N-OFC(異例の太さ)、プラグは6.3mmステレオ(3.5mmステレオミニのプラグ&ジャックの様に壊れやすくないし、6.3mmジャックに接続する際に接点が増えない)。







一言で言うと木琴のように陽性の響きで楽しい音。HP-RX700のようなビクターらしいもっちりした音に比べるとニュートラルで明晰な印象にはなる。高級機らしく階調の滑らかな、いまどきのユキビタスな音像を奏でている。このヘッドホンはハウジングがかなりでかい。振動板ユニットの取り付け方やハウジングのあり方がスピーカーと同じ。さすが90年代は日本最高のスピーカーメーカーとして一世を風靡しただけある。ウッドハウジングはスピーカーに比べて軽量なヘッドホンユニットの微弱なエネルギーでも響きやすい木材を採用している。さすがSX-V1SX-V7でC.O.T.Yを受賞しているビクターなだけある。HP-DX700はaudio-technicaの木のヘッドホン〔ATH-W1000Z、ATH-W5000、ATH-W1000、ATH-W2000等〕の倍ぐらいのサイズ。正直、木のハウジングの響きを特に感じるわけではないが、オーテクやDENONよりは木の響きらしきものを感じるだろうか。ちはやぶらずによく制止した音である。スケール豊かで具体的な音をしていると思う。フラッグシップ機のHP-DX1000に比べると曖昧な要素があり、それで馥郁を聴かせる塩梅。HP-DX1000がWAVファイルならHP-DX700はロスレス256kbpsぐらいか。価格差のとおり、音の差は結構ある。






構造について詳しくはメーカー特設ページに書いてあるけど、筐体にユニットを直接マウントする方式は、オーディオテクニカの木のヘッドホンとは反対の設計思想。オーディオテクニカの木のヘッドホンがあんなに澄んでてそっけないのは考え方に基づくものである。どちらがいいかではない。HP-DX700の音は音像が立体的。エコーの澄んだ音で遠近方面における輪郭や諧調が自然。ロックなどを再生するとバランス的に高域が強くなるが、歪み成分が少ないのか強烈感が少ない。ユニットが耳から離れる分低音は軽いがよどみなく出てくる。欲を言えば往年のAlphaのヘッドホンの様に濃厚な音に満ち満ちていたら良かった。でもあちらを立てればこちらが立たず。この立体感は他に存在していない。ΘдΘ キューブレアリズム





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