オーディオフェスタで、一番音がよかったスピーカー。 |
真ん中のトールボーイがSX-V7でその隣がSX-V1. プレーヤーは新しいXL-Z999、アンプは古いAX900で鳴らされていた。 (現在SX-V1はSX-V1A→SX-V1Xへとモデルチェンジしている) SX-V1の黒いフロントパネルは真鍮でできている。それが展示されていて持ったらすごく重かった。エンクロージャーはマホガニー製で、それはすごく軽くて、そのコントラストがおもしろかった。 重い真鍮パネルに直接取り付けられたユニットの振動エネルギーを、軽いマホガニーのキャビネットに伝えるという構造。そんな楽器みたいに難しい構造なのでチューニングが大変なのか、サウンドパル誌にはSX-V1のプロトタイプがずらーっと並んでいた。30台以上あったかな。マホガニー製のスタンドは真鍮にダイレクトにジョイントするようになっていて、触ったらSX-V1のユニットの振動が音叉していた。だからこんなにやわらかい響きになるんだなぁ。ユニットの磁石にはアルニコを採用して、マホガニーを効率よく響かせながら音の立ち上がりや諧調性の良さを保持している。構造においてはSX-V7よりも面白かった。 ビクターの出展がいちばん印象に残った。 |
ホールでの紹介。ホールで大音量では荒っぽくてぜんぜんだった。 SX-V1&SX-V7は振動板をしっかり押さえつけて鳴きが生じるのと音が薄っぺらになってしまうのを避けている元来の構造とは逆の発想で作られている。ユニットをつけるパネルを重くしアルニコの磁力で響かせるというナイーブなバランス感覚で設計しているから大音量では雪崩のように崩れてしまっていた。 |
アルニコ磁石は保磁力があまり大きくなく、徐々に磁力が弱まるので、磁力を復活させるかユニットを交換すると良いようだ。そしてその価値のあるスピーカーだと今なお思う。とはいえ、SX-V1系のユニットはSX-V1Xのものしかメーカーの在庫に残ってないらしい(2013)。…もうこうなると『復刻版』を出してもらうしかない。今だといくらするかはわからないけど。 |