Victor XL-V1


1995年発売(定価85,000円)
独自の20bit生成を行う20bitK2技術はDACのXP-DS1000A(定価600,000)や
後のC.O.T.Yの名機XL-Z999(定価550,000)にも搭載されたもの。
HMVシリーズのシステムコンポとして幅36cmで登場したXL-V1は


「アルミ押し出し材によるフロントからトップにかけてのパネルが一体化された、このクラス随一の凝った筐体が見事である。CDの聴感上の分解能を高め20bitK2プロセッシングを搭載。アナログ的ニュアンスが豊かな、デリカシーに富む滑らかな音質にその効果が現れている。」(故・朝沼)
「大人のためのオーディオシステムとして推進しているHMVシリーズ。ナチュラルで穏やかなバランスの音は、価格に充分見合うトータルバランスの優れた証で、ハイファイ傾向がよく抑えられ、音楽的にコントロールされている。さすがにディスクで長い経験を誇る当社の力量だろう。」(故・井上)

とSTEREO SOUNDで評価されていました。(改稿あり)
オーディオフェスタでSX-V7が豊潤な音を出していたのも、
ビクターならではの音作りの成果でしょうか。



高剛性アークシェルシャーシ。サイドウッドもアルミ製?

DENONもmarantzもそうだけど、VictorのCDPもVictorのAMPと共通の音が出ます
線が太く、もっちりした、ナウでヤングなトーン傾向です

もちろんAMPほどは変わらないが、XL-V1はSPでもカーステUNITでもお馴染みの
ビクター犬がわんわんするトーンなのである

比較するとTEAC VRDS25x(定価190,000円)はさすがに腰が安定しています
XL-V1はやや埋没している音素はありますが、空気感や倍音に乏しいというわけではなく
ニュアンスは言われているとおり豊かな傾向です。
20bit再量子化による音のつなぎが高分子的で
各音の明敏さよりも全体的な曖昧さで聴かせている印象を受けました
ビクター系のK2プロセッシングのCDがやはり一番綺麗でした
ブラッシュアップ型のXL-V1A(定価98,000)ではもっと捌けていることだろう

操作感はメカニカルなTEACよりこなれてて、本体の
9 :ボタンで早送り巻き戻しができます
トレーの動きは安っぽいけど、サーチ速度の程よさには高級感があります
それは物理コストに関わらない部分なので、高級もくそも現実ないのですが
ただそれだけでも印象が随分と違うものです
いろいろな作法は学んでおいたほうがお徳かも、とか教訓を得るのでした






XL-V1の端子郡。銅板とアルミ素材のコンビネーション

XL-V1の背面。出力はシンプルに1系統
HMVのV1シリーズは当時としてはとりわけデザインがシックで
TEACみたいに強そうでない、大人のたたずまいがあります
なんていうか、この写真なんか、ハルクロのdm10みたいじゃね?
とか思うのですがそんな言葉遣いではハルクロじゃなくなってしまいます。損です。












全面的にいかしたモデルでした
裏返すとこんな感じなのです
Z-BASEとか書かれててなんかそそる
…中身をあけたくなる












このページでは僕の自己紹介を。

YG検査で僕を調べてみたところ
S :社会的外向 3/10 A :支配性 4/10 T :思考的外向 3/10 R :のんき 1/10 G :活動性 7/10 Ag:攻撃性 3/10 Co:自己中 2/10 O :主観性 4/10 N :神経質 3/10 I :劣等感 1/10 C :気分屋 6/10 D :抑うつ 5/10

・類型別性格特性
A型(Average Type:平均型)
<情緒、向性ともに「平均的」>
「ありふれ型」とも呼び、平均的人間である。どのような職業についても無難であるが、
ちょっとガッツが足りない感じのする人で、入社試験では損をしやすいタイプ。


ありふれ型でした。

そんな僕は、オーディオには物欲的にハマりました。中学の頃KENWOODのコンポが欲しかったのです。もちろん買ってはもらえませんでしたが、あのグライコはかっこよかったし、DSPという機能も憧れの的でした。でもそれは買わなくてよかったなぁと思います。ロキシーは実際、電気店で聴いてもいい音ではなかったし、アローラのOMNIトップは名器でなかなか使える代物だけど、やはり全体的にアローラの音はアローラの音。音のエッセンスが死んでました。友だちが安いのを持っていたからそれでよしとしました。
ピュアオーディオという世界にハマった15歳当時は、大須の電気街へ行けばオーディオ店が並んでるとはつゆ知らず、ほぼカタログとオーディオ誌の中だけに生きておりました。当時はまだ一部の電気店にオーディオが置いてはありましたが、店員に話しかける勇気はなかったのでほとんど聴いたことはないです。PIONEERのS-HE100、DIATONEのDS-800Z、TANNOYのTD-700、Matin LoganのSL3(LO)、Sequel、AUTHENTICのA3001、infinityのKappa 8.2i、Renaissance90、などなど当時の日記に登場していますが、そんな大きなスピーカーで鳴らすと、どんな音が出るのだろうと夢想してたのが懐かしいです。夢想のほうがもちろん音がいいのですけど。大きいといえば中学の頃のKENWOODのカタログに総重量126.7kgのSW-CX1(定価40万円)という弩級のウーファーがカタログに載っていて「どんな低音が出るんだろう?」と夢想していました。これには、未だに好奇心はあります。今の時代定価40万円と聞くと入門機ですね。
当時のモデル群がすごかったのかオーディオ初期の溢れる想像は膨らんでゆくばかりでした。やはり今でもTEACのCD-5とかVRDS-20というプレーヤーはかっこいいと思います。また手のひらに乗るサイズのNHTのSuper Zeroが各誌で高評価なのが不思議だったり、反面Model2.5iはロングストロークウーファー搭載のトールボーイで下は29Hzから出るし、前面が20度ぐらい内側に傾斜していてヘッドホン的に音が決まるので、これがベストバイ上位にくるのかなと思ったら心外な結果で、音色や芸術性の物事をよくわかっていませんでした。初めてオーディオ店でBOSEの363を見たときは、DS-800Zよりも一回りも二回りも小さくて、たった8cm身長が低いだけなのに、こんなにも小さいのかァ! と思ったものです。1996年に初めてオーディオフェスタに行ったときの感動は言うよしもありません。

さりとてオーディオ誌だけでも自動的に趣味は膨らみ洗練されてゆき、
PLATINUMのDUOや、やたらと地味なC.O.T.Y受賞モデルHARBETH HL Compact7、
エレガントでハーモニックなEquation Model 10、暗いけど魅惑的なROKSAN Ojan3、
アンプでも薄型のELECTRO COMPANIETのEC4.6、AW60、RADOみたいなZZ-One、
シンプルなキューブ状のPASS ALEPH 3、小音量でも音がしなやかだというALEPH Os、
AUDIO CURRENTの出力50WのPartita P2、LUXMANのA級L-580、
EXCLUSIVEのM80、PIONEERのA-09、AccuphaseのA20、DENONのPMA-S1
山水では僕の607XRと同じ90Wながらずっとまろやかで繊細になってるAU07 Anniversary、
PHILIPSのLHH A700はなんともいえないシンプルなデザイン、
Unison Researchの木のプリメインSimply Fourが当時の僕には新しい価値でした。
それと対照的なC.R.DevelopmentのRomulus/EL34pp、ALCHEMISTの薔薇の似合うセパ、
探せばキリがないけど、そんな感じにつぎつぎに魅了されていきました。
高校生には相応しくないハイブラウな価値観がステサンで形成されてしまったゆえ、
その後現実を突きつけられる落ち込みもまた大変でしたが。

2002年ぐらいにこのサイトが発生して、2003年秋ぐらいからオーディオ遍歴を始めました。
BBSに杉ちゃん、水野ちゃん、Mocaさんが登場してくれた当時、ほんと楽しかったです。
ただ1994年ぐらいから1997年ぐらいにかけてのオーディオ思春期に魅了された製品は、もうなかなか店頭にて巡り合うこともなく、オークションで手に入れないと聴けません。10年以上経過しているので整備の有無でも音が変わります。しかしここに書いたものは僕の備忘録でもあり、この先20年以上かけてでも聴き尽くすつもりでいます。そんなわけで、僕の場合、精神性より目に見えるものが先行してます。自分は良い音を追求してゆくというより、機関車の名前と特徴を全部覚えていたドヴォルザークのように、その動いてるやつの実体さえ把捉できれば愉快になれるのです。車よりは金かからないし環境にも負荷が少ない。