ヒノキのインシュレーター

 インシュレーターはスピーカーの設置面積を減らす。インシュレーターがあれば機材と部屋との振動の関係を緩和さすことができる。オーディオボードや御影石の板など重いものを敷けばその一体性をさらに遮ることができる。音の振動はスピーカー本体から床に伝わり部屋を満たしまた床から戻ってきて出てくる音に影響を与えるもののようだ。音色的なことも考えると、木がいいようだ。 さてルームアコースティックはどこまでアナライズできるか。床の伝わりとか音色の調和、個々の成分の形質、スネルの法則、波音の流れから出方まで完璧に頭に描けるうえ神がかりに創造性が溢れていたらストラディヴァリウスが作れる。どこまで追求するかになるね☆






 ユニットと面と向かうより、前面2点支持で、斜めにセットするとふくよかに響くようになる。もう少し低い位置だったら、部屋の真ん中を通過する進路をもたせられるようなセッティングになったけど。(SPは地面置きだと低音に厚みが出てくる。USHERのこのXPPの透明ウーファーの音はゴム性だからかよく伸縮し、よくレスポンスして無理がなく、厭味が出てこない。しかし床や壁との関係がよろしくなく、解像に曖昧な部分が出てくる。)








 面と向かってセッティングする。斜め置きは床との不和が解消されれば最高だ。腰が安定して滑らかで明瞭な音に戻る。部屋は普通は四角形なので、真正面ではなくやや斜めに向けたほうがよい。音線の進路が多角的に複雑になり、反響が熟成する。
 スピーカーのインシュレーターはやっぱり木製がいい。中でも檜がいちばんいいと、音が好きでホールでもメーカーでも働いてきたローカルメードオーダーの方は言っていた。ロートルの方で、話す事に歴史的重みを感じた。
 敷いているのがその方の手作りの檜のインシュレーター。檜はアサダザクラに比べるとしっとりとしている。色で喩えるならベージュ。そのまんま。店で鳴らしてみても本当によい響きをしたそうだ。前に2ポイント、後ろに1ポイントの3点支持。4点だと一箇所が空洞になる。3点の位置を極めるのが楽しい。音はとくには変わらないが、不規則な微妙な位置関係をさせたときに数学感性が喜ぶ。






ヒノキのインシュレーター

 なぜこのインシュレーターは三角で角に丸みを持たせているかというと、物質内での音の振動をなるべく複雑に拡散させるためである。二つでぶつけ合わすととても心地よい音が出る。物理的アクセサリーは、二つでぶつけ合わせたときにいい音のするものがいい。石も、ぶつけ合わせたときに心の湖のなかに荒立てずに波紋を広げる音を出すものがある。三角とか台形のものが音が拡散するからいいようだ。5203というインシュレーターは三角型ハイブリッドで、静かに沈んだ。なるべく不規則な形をしたものがよい。二次元的には円や正方形は波紋的には好ましくない。ビー玉をぶつけると、それはそれとして面白い音ではあるけど、音楽的には洗練された音とは言いにくい。部屋も円形だったら音楽は聞けない。トロンボーンやホーン型ユニットは音の出口に向かうにつれて二次関数的に口径が広がっていく。それが円筒だとしたら音が想像付く。
 テフロンシートというのをついでにもらって、挟んで遊んでいた。テフロンシートっていう材質は、触るとなんか新奇な感触だ。こんな不思議な材質には触れたことない。喩えるならセラミック性のシルク。音のほうは、すべりがよくなる気がする。
 サンドイッチ構造はいい。軽いスプルース材や響きのよいアサダザクラ、比重が高くて硬いアフリカ黒檀材などなど、いろいろと混ぜ合わせて使うと面白いかもしれない。部屋の照明で、暖色とナチュラル色の蛍光灯を組み合わせると色のダイナミックレンジが広がる。光もインコヒーレントなので理論上打ち消し合う性質があるのだけど、現実にはそれほど照度が弱められてる印象はない。(理想としては二種類の蛍光灯は同じシーリングには入れたくないけど。省エネに反するしね)。ヨーロピアンのプリメインはアンバランス主流でそのように多少理論を無視して音を作っていることと思う。今はマホガニーを響かせる構造のPIONEERのS-07にこのヒノキのインシュレーターを使っているけれど、これもまたインコヒーレントなスピーカーで、くっきりではなくうんわかなんだけど、雰囲気が厚みをもって織り成していて、ある程度理論を無視されたほどよい音のスピーカーだと思う。












東京芸術劇場




季節?によりパイプオルガンの外装がかわる。(昆虫の世界では『擬態』と呼ばれるもの)

広いけど濃厚でリッチな音がかもされる不思議な劇場。








後部席のほうはすごい高度がある。
目の前に通気穴がくる。
この位置でもすごい音がいいよ。
ぽわわーんという響きが届く。










サントリーホール






 P席という後部席からの写真。天井を見上げると、楽団の上にはこんなものがぶら下がっている。画像ではわかりにくいけど色は透明な水色。壁面はクレモナを思わせるような木の張りあわせ。そして縦にいい感じに波打っている。





ちょっと遠くて迫力には欠けるけど、可もなく不可もなくって感じだ。

 サントリーホールはかっこいい。パイプオルガン下がP席。P席は前のほうに座れば楽譜まで見えて面白いけど、音はややだんご状態。高度は同じで、そこから対角線にあるこの二階席の音はわりとよかった。障害物なくこちらに届いてきたという感じ。ちゃんとした方向性があった。音源からは遠く離れるほど媒質における損失の大きい超高周波の倍音成分は相対的に減っていく。楽団の後方が深いのも音の距離を稼ぐ。ゆえに矩形波としてはやっぱり1F席だろうけど、直接音と間接音の時間差もあって音楽はわかりやすく聞こえる。全体的にサントリーホールは純国産的な音がする。




 



 音源は、理想的には、点音源(point source)、線音源(linear source)、および面音源(plane source)に分類することができる。点音源は、大きさが0であるような音源、線音源は音源が一直線状をなしているもの、面音源は面積が十分広い面全体が振動して音源になっているものである。
 自由空間に置かれた点音源から出た音の強さは、音源からの距離rの2乗に反比例する(逆2乗則)。したがって音の強さのレベルや音圧レベルは、音源からの距離が2倍になるごとに6dBずつ減少する。このことを-6dB/ddと書く(dd:double distance)。線音源による音の強さのレベルおよび音圧レベルは、-3dB/ddで減少する。面音源の場合は、距離によるレベル変化はない。
 音源から出た音が伝搬していくに従って減衰する他の原因に、媒質による音波の吸収(sound absorption)がある。これは媒質の粘性による粒子運動のエネルギー減衰にも起因する。吸収の程度は、温度、湿度の上昇とともに小さくなるが、周波数にも依存し、高い周波数で急速に増大する。低空を飛ぶ飛行機に比べて、高空を飛ぶ飛行機の音が低く聞こえるのは、このためである。ただし、音波の吸収は距離減衰に比べて小さく、普通は無視しても差し支えない。
 建築物の音響設計においては、縮尺が1/n倍の模型実験で音の周波数をn倍にするほか、壁や天井の吸音特性をn倍の周波数で実物と同じようになるように調整する。ホールの設計などでは、空気による吸音の影響を考え、窒素ガスや乾燥空気の中に置いて実験する。(近代科学社「音響工学」)


 RASTI値の高さでいったらサントリーホールなのかな。ほどよい大きさの東京文化会館に比べるとややあっさりとした基調。東京芸術劇場も相当広いけど、椅子の下や天井に空筒が大量に設けられてて効率よく音が運搬される。後ろにいくと音が織り成されている。矩形波としては落ちるけどリッチな厚み加減では後ろのほうも捨てがたい心地。サントリーホールは後ろのほうでも純音源的に届いている感じがする。ツァラトゥストラが威圧的だった。










外はもう真冬なのでした。