ある中学生の男の子の動画を見て…

男子中学生


この子らはまだ幼い中学生であるが…とりあえず再生して観て、あなたは何を思うだろうか。Youtubeでこの映像を見た九分九厘の人間は感情的になり暴言を吐いている。それも一方的である。その多くは10代の子の同族嫌悪であるが、20代-30代っぽいコメントも多かった。アクセスで2番目に多い年齢層は45-54歳。この層はさすがに暴言は吐いていないだろう。しかし総体的に鑑みるに、人は物事の表面しか見えていない。目に見えるものしか見えておらず画面に映るものに直情径行し、映ってないものに想像を膨らませる事はない。そういうコメントは一厘しか無かった。一度冷静になって何度も観てほしい。目に見えないものが見えてくるから。物事の皮相は、人間では肌に相応(XY)。肌が重要なのはわかるが。人間自体には正面から見た姿(XY)にMRIで撮った断面図(XYZ)があり血と肉の体積があり素粒子まで細分化すると霊性もある。二次元(XY)⇔三次元(XYZ)⇔時空がない。
「子どもの状態を抜け出したばかりの者ほど、子どもを軽蔑の念をもって見る者はいない。それはちょうど、身分のちがいがそれほど大きくないので、下級のものと混同されることをみんながたえず心配している国ほど、身分制度がしかつめらしくまもられている国はないのと同じだ。」(J.J.ルソー『エミール』 原注より)
この子らは無差別に悪意をまき散らしているわけではない。この動画を閲覧して「自分が侮辱を受けている」と錯覚するのは昔には存在しなかったビデオカメラの弊害である。条件反射せずによく聴いてごらん。この子らは「誰にたいして」怒っているのかがわかるから。この子らはカメラのレンズに向かっているが、その先に見えているものは自分たちではなく、この子らにむかって「ブサイク」とか侮辱してきた28歳の大人げないネットウォッチャーの姿である。人を怒らせてストレスを解消する事(転嫁行動)が日課になっているのならばそのリアルは事実さもしい。人を侮辱する奴に限って自分の姿は隠してるし。左の青いジャージの子と白い体操服の子はそういう事を感じ取ってる。この白い体操服の男の子は小さい子(誰かの妹)の足を踏んづけて「ごめんごめんごめんごめん」と言っている。その所作が流ちょう。ここにいるみんなは仲が良い。その日常と対比されてる。
こう言うと逆に不和を唆されるものであるが、それはダンテの神曲の第八圏「悪意者の地獄」… その第九の嚢 [離間者 - 不和・分裂の種を蒔く者の地獄] に墜ちるような霊魂の仕業。対峙して供養してほしいが、せめてその霊魂の願望や衝動に同化しないでほしい。(ダンテの『神曲』はWikipediaに初版の写真が載ってる:なんと1472年4月11日発行。あとWilliam Blakeの挿絵がたまらなくよい。この小説は高校の世界史Bの教科書にも出てくるほどの不朽の名作。昔の人の方が想像力が豊か。というと語弊があるかもしれないが、想像力が素朴である。自分はウエルギリウスに案内されたというダンテ・アルギェーリの夢を信じるし、虚飾や捏造のないものは素直に現象を嗅ぎ付けていると思う。)


  


男子=男の子=少年 体操服姿がまだ似合う時期