Rogers Studio 9


ロジャース スタジオ9 8 7

Rogers Studio 9 (定価\360000)
2WAY3スピーカーバスレフ
16.5cmポリプロピレンコーン型×2
2.5cmソフトドーム型
クロスオーバー周波数:3kHz
インピーダンス:6Ω
最大入力:125W
感度:90dB/2.83V/m
寸法・重量:W221×H906×D245, 17kg


90年代の新しいロジャース。このStudioシリーズは新しいながらのロジャースの音。往年の渋みのあるロジャースよりは若い音で90年代の音です。90年代ですからハイレゾではなく中庸サウンドです。
USHERのS-520に似たゆるさと透明感があります。ポリプロピレンコーンの音色はXPPのウーファーほど無色でニフラムな音ではなく少し温度感があります。透明感があるといってもATH-CKM99のような透明感ではなく具体的な音の純度が高い感じです。低音はぼよぼよとしています。全体的に凹凸感がなくのっぺりとしていて、まさにゆで卵のようにタンパク質な音です。音像は前へ出ず、フロントバッフル周辺で溶け込んでいます。
LS5/9-WN(1985-)やLS3/5A-TK(1976-)等の往年の名機に埋もれて存在感の薄い印象ではあるけど、日本にも正規に輸入されていて、季刊ステレオサウンドでもちゃんと紹介されています。このスタジオシリーズも、やはりデジタルよりはアナログ向けですが、アナログディスクというよりはカセットテープの音が良い音で聴けるスピーカーです。テープ再生が実に深いのです。あえてカーステでもテープばかりを聴いているような(あまりいないと思うけど)方にはおすすめなスピーカーになるかと思います。CDの再生が鮮明なスピーカーではテープの音はノイズが目立つし深みが抜けている。でもロジャースのこのスピーカーではテープのふっとりした生音も同傾向の強みで実体化されるのです。
組み合わせるアンプとしては、デジタルアンプでも綺麗に鳴るけど、この間隙にあるものが成し遂げた、このぽんわり感は、さっぱりクリアーに損なわれることでしょう。LED電球のようなはっきりとした音よりは陰影のあるオーディオ装置で構成したいです。Sansuiはいいかと思います。

RogersはStudioシリーズを何種類か出している。Studio9は1996年のモデルで、シリーズの最後に発表された締めくくりの番号。外観は、Studio7(1993年:定価\270000)やStudio5(1994年:定価\200000)までとはサランネットの形状とキャビネットの色合いが違いますが、ユニットの材質が同じStudio 3/5/7等とは同一傾向の音色だと思います。豊かな低音分が音楽再生にありがたい恩恵を与えます。1996年発表のモデルでも今となってはノスタルジックな音です。解像度はBOSE 363と同じぐらいですが、質感がよく、たいていなにを聴いていても心地よい。こころをゆったりとさせるスピーカーでござります。言いたいことも交響楽のように婉曲的に織り成してきますね。